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第1話 「危機一髪」

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「う…」

囚人服に身を包んだ少女…先ほど「ラグド・フラゴンのメイ」と名乗ったばかりのコソ泥は、小さく呻きながら半身を起こす。
どうやら一瞬意識を飛ばしていたらしい。

どこかにぶつけたのか、頭が痛む。
それに、いつの間にか身体のあちこちを擦り剥いている。
だが、痛いということはまだ生きているということ。

もちろん頭は身体にくっついたままだ。
酒場の吟遊詩人が口ずさむ歌の中に登場するかつての英雄のように、永遠に頭と身体がおさらばする危機は免れたらしい。

何が起きたのかまるでわからないが、確かなのは逃げ出すには絶好の機会だということ。
メイは盗賊という職業柄、逃げ足は早い。
思考が纏まるに起き上がり駆け出していた。

舞い上がる粉塵によって視界が遮られながらも、炎や落石を避けながら疾走する。
「こっちだ!」
聞き覚えのある声がして、そちらへと方向転換する。

自分と一緒に捕まっていた反乱軍の兵士…レイロフが、帝国軍の兵士と対峙している場面に出くわした。
その兵士のすぐ近く、彼に隠れるような位置に「ロリクステッドのロキール」と名乗った馬泥棒の姿もある。
この惨事を前に、今にも失神しそうなほど怯えてはいるが、目立った外傷は見当たらない。
なかなか悪運の強い男である。

 

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「レイロフ…!この、裏切り者め!」
「俺達は脱出する。止めるなよ」

どうやらこの2人は、単に敵対する陣営同士というだけではなく、顔見知りのようだ。

 

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「な、なぁ、早く逃げたほうがいいんじゃないか?」
お互いに親の仇でも見るような顔で対峙する2人に、というよりもハドバルに、ロキールがおずおずと声をかける。

 

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語尾は、ドラゴンの咆哮とそれに続く羽音で掻き消された。
4人がそちらを見れば、ドラゴンが鋭い鉤爪で兵士の1人を捕らえ空高く舞い上がるのが見えた。
地上を遠く離れた上空で、彼だか彼女だかわからない兵士が投げ出される。
まるで布人形のように、その身体は地面へと落下していく。

ロキールの言う通り、言い争っている猶予はない。
「そーだよ、にらめっこしてないで早く逃げようよ!」
メイもまたロキールに同意し、レイロフを促す。
帝国にもストームクローク軍にも関心はないが、自分を処刑しかけた側の人間と行動するなんて真っ平御免
というメイにとってハドバルと一緒に行くという選択はありえない。

かくして、レイロフとメイ、ハドバルとロキールという組み合わせに分かれてそれぞれ別方向へと駆け出した。
向かう先はヘルゲンの砦。
このヘルゲンの街でも、最も頑強な建物だ。

「来い!こっちだ!」
先行したレイロフが砦の扉の前に立ちメイを呼ぶ。

その時だ。

 

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「Yol…」
ドラゴンが何事かを低く呟いた。
意味はわからなかったが、途轍もなく嫌な予感を覚えたメイは前方に向かって大きく跳躍した。

次の瞬間、灼熱の業火が爆ぜた。

 

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「ふぎゃっ!」
爆風の余波でよろめき、転倒してしまう。
肌の表面に熱さを感じたが、業火の直撃は免れた。

 

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「おいおい、大丈夫か!?」
「うう…な、何とか」
レイロフに助け起こしてもらいながら、覚束ない足取りで何とか立ち上がる。

砦の中に入ると、床に伏せたストームクローク軍の兵士の姿が目に入った。
既に事切れている。
負傷しながらも何とかこの砦まで避難してきたが、その怪我が原因で力尽きたようだ。

 

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「ソブンガルデでまた会おう、兄弟よ」
レイロフが亡骸に向かって語り掛ける。

「これからどーするぅ~?」
そんな彼に、空気を読むこともなく尋ねた。
しかし、実際のところ砦に駆け込んだからと言って安心は出来ない。
レイロフは気を悪くした風もなく、”彼女”へと向き直った。

「とりあえずその格好を何とかしなくちゃな、コソ泥」
「コソ泥…っての止めてくんない?あたしはメイ」
メイは口を尖らせて抗議した。
レイロフは「わかったわかった」と答えながら、周囲の棚を物色し始める。

レイロフがメイのことをコソ泥と呼ぶのには理由がある。
今から2日ほど前…ウルフリック・ストームクロークが拘束されるよりほんの少し前、
メイはストームクローク軍の野営地から馬を盗み出そうとした。
その時に彼女を見つけ、阻止したのがレイロフである。

初めは「馬泥棒」という呼称だったのだが、メイが盗もうと目論んだのは馬だけに留まらず
物資や金貨なども含まれていたため、その呼称はロキールに譲ることとなった。

その直後、レイロフを含めたストームクローク軍は帝国軍によって拘束された。
たまたまその場に居合わせたメイも一緒に。

つまり、ナギの推測は見事に当たっていたのだ。

「お、これなんか丁度いいんじゃないか?」
そう言ってレイロフが差し出したのは、飾り気のないチュニック。
それを受け取ったメイは「うーん?」と首を傾げながらも手早く着替えた。

 

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「何か地味」
「そう言うなよ。囚人服よかマシなんだから」
「確かにそーだけどぉー」
「さて…先を急ぐぞ」

鉄製の扉があり、そこから砦の奥へと進んで行けそうだ。
こういう砦には、緊急用の脱出口がどこかにあるものだということをレイロフは知っている。
だが、

「くそっ。鍵がかかってやがる!」
扉は頑丈で、押しても引いても微動だにしない。
メイが寄ってきて、扉の蝶番をまじまじと眺める。

 

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「ふむふむ、ほぅほぅ…こんなの簡単簡単、ちょっと待ってね」
言いながら、蝶番を弄り始める。
金属が触れ合う軽い音が何度か響き…そして、小気味のいい音1つ。

 

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「う…」

囚人服に身を包んだ少女…先ほど「ラグド・フラゴンのメイ」と名乗ったばかりのコソ泥は、小さく呻きながら半身を起こす。
どうやら一瞬意識を飛ばしていたらしい。

どこかにぶつけたのか、頭が痛む。
それに、いつの間にか身体のあちこちを擦り剥いている。
だが、痛いということはまだ生きているということ。

もちろん頭は身体にくっついたままだ。
酒場の吟遊詩人が口ずさむ歌の中に登場するかつての英雄のように、永遠に頭と身体がおさらばする危機は免れたらしい。

何が起きたのかまるでわからないが、確かなのは逃げ出すには絶好の機会だということ。
メイは盗賊という職業柄、逃げ足は早い。
思考が纏まるに起き上がり駆け出していた。

舞い上がる粉塵によって視界が遮られながらも、炎や落石を避けながら疾走する。
「こっちだ!」
聞き覚えのある声がして、そちらへと方向転換する。

自分と一緒に捕まっていた反乱軍の兵士…レイロフが、帝国軍の兵士と対峙している場面に出くわした。
その兵士のすぐ近く、彼に隠れるような位置に「ロリクステッドのロキール」と名乗った馬泥棒の姿もある。
この惨事を前に、今にも失神しそうなほど怯えてはいるが、目立った外傷は見当たらない。
なかなか悪運の強い男である。

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「レイロフ…!この、裏切り者め!」
「俺達は脱出する。止めるなよ」

どうやらこの2人は、単に敵対する陣営同士というだけではなく、顔見知りのようだ。

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「な、なぁ、早く逃げたほうがいいんじゃないか?」
お互いに親の仇でも見るような顔で対峙する2人に、というよりもハドバルに、ロキールがおずおずと声をかける。

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語尾は、ドラゴンの咆哮とそれに続く羽音で掻き消された。
4人がそちらを見れば、ドラゴンが鋭い鉤爪で兵士の1人を捕らえ空高く舞い上がるのが見えた。
地上を遠く離れた上空で、彼だか彼女だかわからない兵士が投げ出される。
まるで布人形のように、その身体は地面へと落下していく。

ロキールの言う通り、言い争っている猶予はない。
「そーだよ、にらめっこしてないで早く逃げようよ!」
メイもまたロキールに同意し、レイロフを促す。
帝国にもストームクローク軍にも関心はないが、自分を処刑しかけた側の人間と行動するなんて真っ平御免というメイにとってハドバルと一緒に行くという選択はありえない。

かくして、レイロフとメイ、ハドバルとロキールという組み合わせに分かれてそれぞれ別方向へと駆け出した。
向かう先はヘルゲンの砦。
このヘルゲンの街でも、最も頑強な建物だ。

「来い!こっちだ!」
先行したレイロフが砦の扉の前に立ちメイを呼ぶ。

その時だ。

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「Yol…」
ドラゴンが何事かを低く呟いた。
意味はわからなかったが、途轍もなく嫌な予感を覚えたメイは前方に向かって大きく跳躍した。

次の瞬間、灼熱の業火が爆ぜた。

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爆風の余波でよろめき、転倒してしまう。
肌の表面に熱さを感じたが、業火の直撃は免れた。

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「おいおい、大丈夫か!?」
「うう…な、何とか」
レイロフに助け起こしてもらいながら、覚束ない足取りで何とか立ち上がる。

砦の中に入ると、床に伏せたストームクローク軍の兵士の姿が目に入った。
既に事切れている。
負傷しながらも何とかこの砦まで非難してきたが、その怪我が原因で力尽きたようだ。

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「ソブンガルデでまた会おう、兄弟よ」
レイロフが亡骸に向かって語り掛ける。

「これからどーするぅ~?」
そんな彼に、空気を読むこともなく尋ねた。
しかし、実際のところ砦に駆け込んだからと言って安心は出来ない。
レイロフは気を悪くした風もなく、”彼女”へと向き直った。

「とりあえずその格好を何とかしなくちゃな、コソ泥」
「コソ泥…っての止めてくんない?あたしはメイ」
メイは口を尖らせて抗議した。
レイロフは「わかったわかった」と答えながら、周囲の棚を物色し始める。

レイロフがメイのことをコソ泥と呼ぶのには理由がある。
今から2日ほど前…ウルフリック・ストームクロークが拘束されるよりほんの少し前、メイはストームクローク軍の野営地から馬を盗み出そうとした。
その時に彼女を見つけ、阻止したのがレイロフである。

初めは「馬泥棒」という呼称だったのだが、メイが盗もうと目論んだのは馬だけに留まらず物資や金貨なども含まれていたため、その呼称はロキールに譲ることとなった。

その直後、レイロフを含めたストームクローク軍は帝国軍によって拘束された。
たまたまその場に居合わせたメイも一緒に。

つまり、ナギの推測は見事に当たっていたのだ。

「お、これなんか丁度いいんじゃないか?」
そう言ってレイロフが差し出したのは、飾り気のないチュニック。
それを受け取ったメイは「うーん?」と首を傾げながらも手早く着替えた。

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「何か地味」
「そう言うなよ。囚人服よかマシなんだから」
「確かにそーだけどぉー」
「さて…先を急ぐぞ」

鉄製の扉があり、そこから砦の奥へと進んで行けそうだ。
こういう砦には、緊急用の脱出口がどこかにあるものだということをレイロフは知っている。
だが、

「くそっ。鍵がかかってやがる!」
扉は頑丈で、押しても引いても微動だにしない。
メイが寄ってきて、扉の蝶番をまじまじと眺める。

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「ふむふむ、ほぅほぅ…こんなの簡単簡単、ちょっと待ってね」
言いながら、蝶番を弄り始める。
金属が触れ合う軽い音が何度か響き…そして、小気味のいい音1つ。

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キィ…
「よっし、開いたよ~ん」
いともあっさりと扉が開いた。
あまりの手際の良さに、レイロフは絶句してしまう。
それから笑い出した。

 

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「おいおい、ロックピックなしで開けちまったのかよ?
まさしく天性の盗賊ってヤツだな」
呆れとも関心ともつかぬ口調でそう評したのだった。